わたしたち生き物、動物や植物は空気や水がなければ
生きていくことができません。
多くの生き物にとって空気や水がきれいであることは、とても大切なことなのです。
では、わたしたちの生活が空気や水にどのように関わってきたのか、空気や水をきれいに保ち、さらに良くしていくためには何ができるか考えていきましょう。
多くの生き物にとって空気や水がきれいであることは、とても大切なことなのです。
では、わたしたちの生活が空気や水にどのように関わってきたのか、空気や水をきれいに保ち、さらに良くしていくためには何ができるか考えていきましょう。
現在の川崎市の空気は、近くの都市と比べても同じくらいのきれいさで、天気の良い日には100km先の富士山も良く見えます。
また、わたしたちの身近に流れている多摩川や二ヶ領用水などの川にも、アユなどの魚をはじめカニやエビなどたくさんの生き物がくらしています。
みなさんは、晴れた日に遠くの景色を見たことはありますか。空気のきれいさは、遠くの景色の見え方と深く関わりがあります。高層ビルなどの目印を決めて、その見え方のちがいから、空気のきれいさを感じ、目に見えないけれども身近な空気について話し合ってみましょう。
視程調査とは、遠くの建物などの見え具合から、空気のきれいさを判定する調査のことです。
みなさんも近所の見晴らしのよい場所(マンションのベランダ、展望台など)から遠くの景色を見て、点数をつけてみてください。
視程調査をくわしくみる
わたしたちの家や学校の近くにはどんな川が流れているでしょうか。その川で遊んだことはありますか。川がどうなっているのか、水はきれいか、どんな生き物がすんでいるか、知ろうとすることが、川を大切にするための第一歩です。みんなで、身近な川について話し合ってみましょう。そして、自分との関わりを考えてみましょう。まずは、近くの水辺に遊びに行ってみませんか。
※遊びに行くときは、大人と一緒に行きましょう。
この調査は、市民のみなさんに、市内の川に「散歩したい、遊びたい」と思えるような場所があることを知ってもらい、水辺に親しんでもらうことを目的としています。
近所の川に実際に足を運び、いいなと思える場所を見つけて、まわりの人と共有してください。
かわさき水辺の親しみやすさ調査をくわしくみる
市内の川や海などの水辺で見ることができる生きものを紹介しています。水辺の環境とその場所にすんでいる生きものはとても深い関係があり、どんな生きものがすんでいるかを観察することで、水辺の環境を調べることもできます。
いまでは晴れた日に富士山を見ることができ、多摩川にはアユがもどってくるまでになった川崎市の空気や川ですが、かつてはとてもよごれている時代がありました。
1960年ごろ(昭和30年代)から日本の産業は急激に発展し、海の近くに大きな工業地帯がある川崎市では、工場からのけむりや自動車からの排出ガスなどによる空気のよごれがひどくなり、ぜん息になる人が増えたり、光化学スモッグの被害が出たりしました。
また、市内を流れる川も、かつては農業用水や洗たく、魚とりや水遊びなど、人びとの生活とともにありました。しかし、工場や家庭から出るよごれた水が流され、川がよごれ、いやなにおいがして生活用水として使えなくなり、多摩川や東京湾での漁業などにも被害がでました。
こうした被害を「公害」といい、川崎市だけでなく、日本各地で多くの被害が発生しました。
このような公害の克服に向け、市民・企業・市役所それぞれが取組を進めました。
川崎市には昔の生活の様子が「映像アーカイブ」として保管されています。その中には公害の様子を伝える映像もたくさんあります。映像を見ながら公害を二度と引き起こさないようにわたしたちにできることを一緒に考えましょう。
「空気や川・海がよごれる」というのはどういうことでしょうか?何が原因なのでしょうか?
工場でわたしたちの生活に必要なものを作ったり、発電所で電気を作ったり、自動車を走らせたりするためには、石油などの燃料を燃やしてエネルギーを作り出して、活用しています。また、家庭などから出てきたごみは主に燃やして処分しています。ものを燃やすと、空気をよごす物質が出ます。
また、わたしたちの生活で水を使ったり、工場で水を使ったりすることで、水にはいろいろなものが混ぜられてよごれていきます。もともと、川には川自身がよごれをきれいにする力があります。
しかし、わたしたちが使い終わった水は、この力をこえるほどよごれていて、そのまま川に流すときれいにならずに、よごれた水が流れる川になってしまいます。
わぁ、こんなによごれた水がそのまま川に流れたら大変だね。
このように、空気や川や海のよごれと、わたしたちの生活はつながっているのです。
夏の晴れた風のない日に、工場のけむりや自動車・船の排出ガスなどに太陽の強い光があたると、空が白くモヤがかかったように見えることがあります。この現象を「光化学スモッグ」といいます。
光化学スモッグが発生すると、「目がチカチカする」「頭痛がする」「息苦しい」などの被害が出ることがあるため、光化学スモッグ注意報が出ているときは、屋外での激しい運動はひかえましょう。
光化学スモッグについてくわしくみる
多くの人びとの努力で、川崎市の空気や川はきれいになってきましたが、公害の歴史をくりかえさないために、そして、わたしたちのまちを安心して暮らしていけるまちにしていくために、みんなで良好な環境を守っていくことが大切です。そのため川崎市では、市民や企業、市役所が協力しながら、空気と水を守る取組を進めています。
身近にある川や水辺をきれいにするために、川のそうじをしたり、木を植えたり、川や水辺を守る活動を市民が自ら進んで行っています。
フィールドワークや学校での授業などを通して、空気や川や水辺について楽しく学んだり、公害の経験を伝えたりする活動を行っています。
工場から出るけむりにふくまれる有害な物質を取りのぞく設備をとりつけたり、減らすための研究を行ったり、日々、公害を防ぐ工夫をしています。
材料や製品を運ぶときの輸送方法を工夫して、トラックなどから排出ガスをできるだけ出さないようにしています。
工場から出るけむりや水の決まりをつくり、新しい施設をつくるときに、その決まりを守ることができるか確認しています。また、工場から出るけむりや水に、たくさんのよごれが ふくまれていないかを検査しています。
川崎市内で空気の様子を24時間測定し、監視したり、海や川の水のきれいさや、どんな生き物が生息しているかも調査しています。調べた結果はインターネットなどで市民のみなさんにお知らせしています。
川崎市内の空気の様子(よごれているかどうか)は、こちらから調べることができます。みなさんが住んでいる場所の近くのデータを見てみましょう。1時間ごとに更新しています。
空気の様子は昔から測定していて、その変化をまとめたグラフをこちらから見ることができます。実は、空気のよごれの種類はたくさんあるんですね。例えば「窒素酸化物」「浮遊粒子状物質(SPM)」「二酸化硫黄」「光化学オキシダント」などのグラフは、どのように変化しているでしょうか。
川崎市内を流れている川や海のきれいさを毎月(または季節ごとに1回ずつ)測定しています。測定した結果は、こちらから調べることができます。
決められた測定場所に行って、空気の状態の測定がどのように行われているかや水質調査の様子を取材しました。
市内に下水道をつくり、家庭などで使い終わった水は下水処理施設(水処理センター)できれいにしてから、海や川へ流すようにしています。
有害な排出ガスを出さない電気自動車、燃料電池自動車などの次世代自動車の利用をうながしています。また、「エコドライブ」を呼びかけたり、自転車を活用したまちづくりをすすめたりしています。